核兵器廃絶地球市民集会ナガサキによる2015年NYで行われたNPT会議のリポートです。

日本人学校訪問 吉田 勲

 今年開催されたNPT再検討会議は、 今年の 2 月始め 「核兵器の非人道性に関する会議」 で核兵器を非難し禁止への努力を誓った文書が国連の全加盟国に配布され賛同を求めていることが解っていました。
 広島・長崎への原爆投下から 70 年、 今年の 「核拡散防止条約」 は本格的に核軍縮の進展を促し核兵器禁止条約へと論議がされることと大きく期待をしていました。 私たち 「核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会」 としても合計 20 人で参加を致しました。
 種々の活動の中で 4 月 30 日 (火) の午後、 長崎大学生 (レクナ) の学生 13 人と私達地球市民集会の 4 人 (井手尾、 川上、 倉守、 吉田) の 17 人で日本人学校を訪問しました。
 ここは 「ニューヨーク育英学園」 という 1979 年に創立されて 36 年になる私立の日本人学校です。 スクールバスも 3 台マンハッタン州を走っているそうです。 理事長・学園長の岡本徹さんは明るく話し好きの人でした。 「創立以来生徒と共に頑張ってきましたよ」 と話されていました。
 まず、 長崎大学の溝越さんが、 「平和に関する話」 の授業を行っていました。 内容は 「ひとつの物事であっても個人個人によって思うことや意見が違う。 相手の話に耳を傾け理解しようと努めることが大切ではないでしょうか」 というものでした。 生徒は飲み込みも早く、 活気がありました。
 私は外務省より 「非核特使」 の委嘱を受けており、 その中に 「核兵器使用の惨禍の実相を被爆証言活動して下さい」 とありましたので、 育英学園の 30 人の生徒さんに被爆体験講話を 40 分間行い、 戦争の悲惨さ・残酷さそして平和の大切さを訴えました。 日本語が通じますので、 通訳なしで行いました。  
 終了後 質問がありました。
質問 1. 「原爆を投下したアメリカ人は嫌いですか?」
私の回答:2005 年 5 月にオハイオ州のデイトンのアメリカ空軍博物館を見たときB29 爆撃機 (ボックスカー号) が展示されていました。 それを見た時は、 こいつが原爆を投下したのか!それで多くの死傷者が出たんじゃないか!となんともいえない腹立たしい気持ちで一杯でした。

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ニューヨーク育英学園にて記念撮影

アメリカ人を憎いと思いました。 が、 今はアメリカの友人も数多くおり 「核兵器廃絶」 へ連帯して行動しています。

質問 2.今世界に爆弾はいくつありますか?
私の回答: 世界には今現在でも 15,700 発の核兵器があります。 主にロシア 7,500 発、 アメリカ 7,200 発、 そして中国・イギリス・フランスの 5 カ国を5 大核保有国と言います。
しかし今ではインド・パキスタン・イスラエルそして北朝鮮も保有していますよと話しましたら皆さんビックリしていました。

質問 3.16 才の少年 「うじ虫とは何ですか?」
私の回答:うじ虫とは、 当時不衛生な状況の中でのハエが生みつけた卵からの幼虫で、 人間の身体の内部を食いちぎっていた虫。
 写真パネルを見て貰いながらの被爆体験講話でした。 熱心に聞いて頂いたので時間が過ぎるのが早かったと思います。 この育英学園は、 明るくのびのびとした環境で生徒も生き生きと学んでいることを感じました。