岸田外務大臣 国連演説 吉田 睦子
岸田外務大臣の 2015 年NPT運用検討会議における一般討論演説はネパールでの巨大地震等の犠牲者への哀悼の辞で始まった。 広島出身の大臣として被爆地の思いを胸に 「核兵器のない世界」 への取り組みを前進する決意で臨んでいると述べた。 また、 核軍縮・不拡散の取り組みへの逆行を感じさせる懸念があり、 核軍縮を加速化する必要があると述べた。
要旨は以下 5 点。
- 核戦力の透明性の確保:核兵器削減交渉には不可欠の条件、 また地域や国際社会における信頼醸成につながる、 具体的かつ定期的な報告の要請。
- 核兵器削減交渉の将来的な多国間化。 全ての核兵器保有国が全ての核兵器を削減。
- 核軍縮の原動力となる 「核兵器の非人道的影響」 の認識を共有し、 核兵器のない世界に向けて結束する。 「私の創設したユース非核特使」 が会場に来ており、 広島・長﨑の惨禍を世代と国境を越えて伝達してもらっている。 (ここで突然長﨑レクナの若者達に起立してもらって紹介。 宣伝に利用された?感あり)
- 世界の政治指導者及び若者の広島・長﨑訪問への要請。 また本年夏以降の広島・長﨑での平和プログラム、 国連軍縮会議やCTBT賢人会合、 パグウッォッシュ会議世界大会、 議長国としてサミット及び関係閣僚会合の開催予定等を紹介し、 国際社会への日本の健闘をアピール。 新しいアプローチだったが、 残念ながら広島・長﨑訪問の要請は今会議の最終文案からは削除された。
- 地域の核拡散問題の解決。 北朝鮮を挙げ、 国際社会全体の平和と安全への重大な脅威であり、 NPT体制への深刻な挑戦だとした。 さらにイランの核問題、 IAEA保障措置や輸出管理の強化、 中東非大量破壊兵器地帯の発展への期待等にも言及し、 日本の尽力続行を述べた。
- 拠出を約束し、 国際的な原子力安全の強化に貢献するとした。
私は個人的には 「平和案内」 するとき常に、 炭化した少年の写真の前で、 核保有国の指導者の来崎・来館を是非にと伝えている。 これは故マザーテレサの思いでもあった。 また長﨑平和推進協会国際交流部会としては、 毎年オバマ大統領に来崎・来館を要請する旨の手紙を添えて千羽鶴を送り続けている。
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