日韓モンゴル NGO ワークショップ 大安 哲也
テーマ
北東アジア非核兵器地帯はグローバルに貢献する
~核兵器に依存しない安全保障への転換のために~
場 所 国連本部 NGO ルーム C
共 催 日本:ピースデポ、 ピースボート
韓国:平和ネットワーク、 参与連帯
モンゴル:ブルーバナー
日本、 韓国、 モンゴルの NGO グループは、 2003 年以
来、 北東アジア非核兵器地帯設立への努力が、 「核兵器のない世界」 へ向けて大きく寄与する観点から、 NPT 再検討会議の場などで、 北東アジア非核兵器地帯を求めるワークショップを繰り返し開催してきた。 そこでは、 自治体、 宗教界、 国会議員、 そして市民平和団体など様々な社会領域での取り組みをつなぐ努力を積み重ねられている。 それがきっかけとなり、 日本では北東アジア非核兵器地帯を支持する自治体首長の賛同署名が 546 名 (2015 年 3 月現在) に達している。
2013 年 7 月には、 国連事務総長の軍縮諮問委員会が 「事務総長は、 北東アジア非核兵器地帯の設立に向けて適切な行動を検討すべきである」 との画期的な勧告を行った。 この新たな環境を活かし、 北東アジアを中心に市民社会における取組と思いを、 国連軍縮局や関係する政府代表具の皆さんに届けるため、 本ワークショップが開催され、 我々も参加した。
ワークショップには、 北朝鮮の核問題を協議する 6 か国協議の参加者のうち、 北朝鮮を除く日本、 米国、 中国、 ロシア、 韓国の政府関係者や、 広島市長、 長崎市長も参加された。 高原孝生明治学院大学教授 (ピースデポ副代表) が司会を務められた。 冒頭で、 田上長崎市長は、 日本非核宣言自治体協議会の取組を紹介し、 北東アジアの非核兵器地帯化の取組は重要なアプローチであるとして、 市民社会の取組が非核兵器地帯の機運を高めるために欠かせないと発言された。 そして、 日本、 韓国、 モンゴルの NGO が、 日本や朝鮮半島を含む北東アジアを非核兵器地帯にする意義や取組について発言された。 ピースボートの川崎代表は、 終戦から 70 年が経つ現在も核軍縮をめぐる議論は安全保障が中心で、 非人道性への関心が薄いことを指摘し、 北東アジアでも核兵器の非人道性を議論する会議を設立することを提案された。 韓国の NGO は北朝鮮が核保有をやめると同時に、 日本や韓国が米国の核の傘から抜けて、 核保有国は先制使用をしないこと約束をするべきと発言された。 モンゴルの NGO からは、 同国が 1 か国だけで非核地帯をつくる非核兵器地位を宣言していることが紹介された。 北東アジア非核兵器地帯の設立は、 核兵器のない世界へ向けて、 大きな一歩となるものであり、 これを実現していくためには、 市民社会への浸透が何より大切ではないかと感じた。