非核宣言自治体フォーラム
分科会1:非核宣言自治体フォーラム
非核宣言自治体フォーラムの活動と国際的連携の活性化

この分科会ではNGOと非核宣言自治体の代表が集まり、互いの見解と戦略の共有を図りました。非核宣言自治体の代表からは、情報交換、展覧会、公共彫刻やイベント、若者に被爆者の体験談を知らしめること、そして平和市長会議運動への取り組みを含む多様な活動についての刺激に富む報告がなされました。またこのような活動を現実に制約している予算上の限界や市町村の合併といった問題についても報告が行われました。しかしこれらの活動は、このような問題の存在にもかかわらず続行されています。
  一つ重要な論点が取り上げられましたが、それは何十年にもおよぶ活動ののち、地方自治体はグローバル化の進む世界において、主体としての認知度を高め、影響力を強めてきたということです。これは北東アジア非核地帯の実現に向けて政府に呼びかけ、圧力を加える上で、非核宣言自治体が非常に大きな影響力を発揮できるということを意味します。世界の他の地域においては、非核地帯に参加して非核原則を法律化するよう、政府に圧力を与える役割を非核宣言自治体が果たしてきました。日本で現在同様の事態が展開すれば、それは現状の緊張を緩和し、日本が強い関心を抱く原則を明確にするのに大きく貢献することになるでしょう。
  また非核宣言自治体による努力は、NGOと協力することでより大きな成功をおさめ、より強力なものとなるだろうということが明白になりました。日本の非核宣言自治体協議会に参加、関与するよう、NGOを招くことは良き出発点となるでしょう。本分科会では非核宣言自治体は世界中から触発され、学んでいくことが必須であると指摘され、また当然のことですが、平和市長会議キャンペーンへの積極的な協力を継続していくことの必要性についても言及されました。
 本分科会においてもうひとつ強調されたのは、希望を持つことの重要性です。私たちの行動に参加する人々の数を増やし、核廃絶という使命が達成されるまで努力を持続していくには、希望を育て、持ち続けることが極めて重要なのです。一般の人たちに、自分たちも貢献することが可能であり、核のない未来の達成に関わる利害関係者なのであると感じてもらうよう、働きかけなければなりません。
  核戦争防止医師会議(IPPNW)の新たなキャンペーン、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)はその名称によって、核廃絶という目標は達成可能であり、また達成されるであろうという前向きな信念を表しています。私たちは、核兵器の恐怖と不快さ、また核の傘に入ることで核兵器に与えられている有用性に立ち向かうためには、意識的に希望とユーモアを活用していく必要があると話し合いました。オーストラリアは米国の核の傘に参加しており核戦争の機構の一部をなしているため、これは日本の仲間たちとともに私自身が直面している課題でもあります。私たちはすべて、真の非核国家となるための努力を行っていかなければなりません。 自治体が考慮すべきものとして、二つの非常に具体的な提案が行われました。一つ目は、北朝鮮の核実験に関して、市長と自治体が署名すべき声明を自治体が作成するということ。二つ目は、日本の非核宣言自治体から日本の全国市長会に対し、世界各国の市と連携し、これら各市を攻撃目標としないことを核兵器保有国に要求する決議の採択を提案する、というものです。




第3回大会のキャラクター





コーディネーター
元長崎市平和推進室
 田崎 昇
オーストラリア・戦争防止医師会協会(MAPW)・核兵器廃絶国際キャンペーンコーディネーター
 フェリシティ・ヒル
スピーカー
 ニュージーランド国際平和ビューロー
 副会長

 アラン・ウェア
 三重大学教授
 児玉 克哉
 非核の政府を求める長崎県民の会
 事務局長
 川口 龍也
 藤沢市役所企画部渉外課課長補佐
 青木 明彦




要約
核兵器廃絶のための自治体の役割、NGOとの連携などを考えた分科会。
 非核宣言自治体を増やそう、北東アジア非核兵地帯の実現に向けて政府に働きかけようなどの意見がありました。
  また、「世界の市が連携して、各市を攻撃目標にしないことを核保有国に要求する」「市長と自治体が、北朝鮮の核実験を非難する声明を作成する」などの提案がありました。

 

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