閉 会 集会

2018年11月18日(日)

13:30 閉会挨拶 実行委員会副委員長 芝野 由和
  分科会・特別企画報告 各会議のコーディネーター
14:35 長崎アピール2018提案 実行委員会副委員長 鈴木 達治郎
  合唱 「平和の旅へ」合唱団…合唱組曲「平和の旅へ」
  長崎アピール2018採択 長崎大学多文化社会学部2年 山崎 歩
15:50 閉会宣言 実行委員会副委員長 升本 由美子

閉会あいさつ

実行委員会副委員長 芝 野 由 和

 第6回核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキもいよいよ最後のセッション、閉会集会となりまし た。
 いまから18年前、最初の地球市民集会ナガサキが開催されたときには、10の分科会でそれぞれ の課題が議論されていますが、そこにすでに「ヒバクシャ・フォーラム」「青少年フォーラム」、 そして「核兵器禁止条約」「非核地帯と核の傘」という今回につながるテーマが含まれていました。 しかし、扱うテーマが同じでも大きく違うのは、いまでは、核兵器禁止条約が現実に採択されて おり、北東アジア非核兵器地帯がリアリティをもった課題として私たちの前に現れているという 点です。とりわけ北東アジア非核兵器地帯について言えば、今年の4月の歴史的な韓国・北朝鮮 の南北首脳会談が、初の米朝首脳会談の開催を後押しし、昨年末から今年にかけての米朝双方の 戦争への瀬戸際外交からの大転換をもたらし、朝鮮半島の平和構築と非核化への希望の光が見え てきました。もちろんこの先、紆余曲折はあるでしょう。しかし、誰かのポスターのスローガン ではありませんが、「この道しかない」ということを世界に示しているのだと思います。  トランプ大統領の行動原理は反オバマ、オバマ大統領がやったことのちゃぶ台返しだといわれ ます。たしかに核政策についても、イラン核合意からの離脱、ロシアとのINF中距離核全廃条 約からの離脱など危うい路線を進んでいる一方、大統領の直感と独自の計算によるものであれ、 北朝鮮政策の転換のきざしはこれまでのアメリカの対北朝鮮政策の大転換の可能性を示す、歓迎 すべきことでした。これにコミットしないわけにはいきません。
 南北首脳会談が日程に上った3月、EU外相会議は、韓国の外相をブリュッセルに招き、対話 による事態の進展への期待を表明し、それに呼応して韓国の外相はEUへの協力を求めています。  こうした事態の進展のなか、冷ややかに「北朝鮮のほほえみ外交に目を奪われてならない」「対 話のための対話は意味がない」と冷淡な態度をとりつづけて水を差してきた日本政府の姿勢は、 当事者意識を欠いた異様なものといわざるをえません。
 そういえば、2016年オバマ大統領が、核兵器の役割を減らす一環としての核兵器の先制不使用 を表明しようとしたのを、強固な反対勢力といっしょになって妨害したのも日本政府でした。被 爆地としてとうてい許せることではありませんでした。
 さて、朝鮮半島の非核化への道とセットになるのが核兵器禁止条約でしょう。被爆者の粘り強 い核廃絶に向けた行動、その願いを継承する市民社会と、それと志を共有する政府のコラボレー ションの結果、国連の場で正式に採択された核兵器禁止条約を、朝鮮半島の両国と日本が批准す る、その方向でイニシアチブをとることこそ、日本政府に求められていることだと思います。  こうしてみると、核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキのはじまりからいわれてきた「理性と感 性の両面から核廃絶の機運をもりあげていくアプローチ」の現代性が体現された今回の4つの分 科会と特別企画その他の企画は、なんとタイムリーだったのだろうと、あらためて感じる次第で す。
 地球市民とナガサキの強い意思が「ナガサキ・アピール2018」に結実されることを期待して、 閉会集会の開会あいさつといたします。


閉 会 宣 言

閉会あいさつ

実行委員会副委員長 升本 由美子  「第6回核兵器廃絶―地球市民集会ナガサキ」への参加、本当にお疲れさまでした。また、3 日間にわたりまして活発なご討議を頂きましたことを感謝申し上げます。
 厳しい情勢の中ですが、核兵器廃絶への道は被爆者をはじめとする多くの地球市民のたゆまぬ 努力により、少しずつではありますけれども、前進しているものと確信いたしております。今回 は特に被爆者たちが命を削って体験を継承し続けた功績と、それを支え続けた地球市民の力が良 識ある国々を動かし、国連の場において核兵器禁止条約が採択されました。また、その中心的な まとめ役を果たした国際NGO「ICAN」のノーベル平和賞の受賞につながるなど、継承し続ける ことの大切さや、その結果に手応えを感じる中での開催となりました。
 特に今回は「ヒバクシャの想いに学び・伝える」、継承の在り方を考える分科会を設け、国や 世代を超えた交流の場も提供できたものと思います。核兵器廃絶運動の原点である被爆者は、平 均年齢も82歳を超え、記憶に残る生の声で被爆体験を聞くことができる機会も減りつつあります。 そのような中、昨年は被爆者運動をけん引してこられた谷口稜曄さん、そしてこの集会の生みの 親でもある初代実行委員長の土山秀夫さんなど、被爆者の方が相次いで亡くなられました。一人 でも多くの被爆者がせめて禁止条約の発効だけでも見届けられるように、ここにご参集の皆さま をはじめ、多くの力を寄せ合って、今後さらなる努力をすることをこの場で確認し合いたいと思 います。特に唯一の被爆国日本政府が核による安全保障の考え方から脱却し、一日も早く批准と 署名をし、本当の意味での世界の核兵器廃絶運動のリーダーとなるよう求め続けたいと思います。
 また、今回の集会を開催するに当たり、多くの方々のご協力を頂きました。まず、寄付など物 心両面から支えてくださいました皆さま、お忙しい中、国の内外からお越しくださいましたゲス トの皆さま、分科会に参加してくださった皆さま、そして国際会議において何よりも重要な同時 通訳の役割を果たしていただいた通訳者の皆さま、手話通訳者の皆さまのお力で、国を超え、参 加者が相互理解を深め、目的を共有することができました。心より感謝申し上げます。一方、平 和への願いを歌や音楽、絵本などで表現してくださった皆さま、日本の伝統文化のお茶のおもて なしで迎えていただいた皆さま、本当にありがとうございました。また、この3日間、スタッフ として集会の運営を支えてくださったボランティアの皆さま、本当にありがとうございました。 おかげさまで無事に終了することができました。
 最後になりましたが、集会の準備から運営までを担当していただいた準備委員会の皆さま、心 からお礼を申し上げます。準備委員会とグループ会議を何度も重ね、この会の開催にこぎ着けて くださいました。そして、縁の下の力持ちとして頑張っていただきました事務局にも、心からお 礼を申し上げます。実行委員会を代表して、全ての関係の皆さまに心からお礼を申し上げて、「第 6回核兵器廃絶―地球市民集会ナガサキ」の閉会を宣言いたします
。本当にありがとうございま した。