長崎市長あいさつ
長崎市長
伊藤 一長

 第3回目を迎えます「核兵器廃絶−地球市民集会ナガサキ」が、海外8か国からお越しいただいたNGOの皆様方をはじめ長崎市民・県民の皆様方のご支援・ご協力により、開催されますことを、地元の市長として心から歓迎と御礼を申し上げます。
 長崎県と長崎市は、長崎を最後の被爆地にしなければならないという熱い思いで、被爆者団体や平和団体、若い方々などとともに、核兵器の廃絶に向けて努力しています。この集会のように官主導ではなく、各界の皆様方が実行委員会としてのボランティア活動を通して、知恵や資金を寄せ合いながら、核兵器の廃絶に向けて頑張っている姿勢は大変心強いことで、私はこれからの世界の平和に向けて大切なことだと思います。
 今朝、ニュージーランドのフィル・ゴフ大臣閣下をはじめ、関係の方々にご出席いただき、平和モニュメント「クローク・オブ・ピース(平和のマント)」の除幕式を行いました。核兵器廃絶運動に非常に熱心に取り組まれているニュージーランドから長崎市に寄贈いただき、平和公園に設置しました。心から感謝申し上げますとともに、長崎市としましても、平和への取り組みをしっかり頑張らなければならないと気持ちを新たにしたところです。
昨年のNPT再検討会議は、2000年と比較し大きく後退した感があり、私たちにとっては落胆の極みでした。これからの世界の反核平和運動はどうなるのか心配しています。そのような中で北朝鮮の核実験があり、本当に強い憤りを感じています。これから開催されるそれぞれの分科会での活発な議論を期待しています。
私は、毎年行っております長崎平和宣言は皆様方の知恵を結集したものであり、長崎の平和運動の原点であると思います。その宣言の中で、私たちは非核三原則の法制化を求めています。法制化をすれば日本国の非核の意志を明確に発信でき、北朝鮮と韓国、そして日本を含む形の北東アジアの非核地帯創設に道が開けると思います。必ず実現しなければならない大きなテーマだと考えています。今、非核地帯は世界各地に広がっています。今年9月には、中央アジアの非核地帯条約が署名されました。東南アジアは既に締結され、南半球のほとんどは非核地帯化されています。そういう中で、唯一の被爆国である日本が、非核地帯を実現できないということはおかしいと思います。何としましても、まずこの日本国が核兵器の依存から脱却し、非核地帯となり、さらに非核地帯をまだ達成していない国々にそのネットワークを広げていくという地道な努力が、NPTあるいはCTBTだけではなく、世界中から核兵器をなくす、一つの大きな方策になり得ると思います。
この集会が、このような時期にふさわしい、実りの多いすばらしい核兵器廃絶のための地球市民集会となりますように、心からお願い申し上げまして、開催地の市長としての開会のあいさつとさせていただきます。


 

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