外務大臣
麻生 太郎
(外務省軍事管理軍縮課長 芹澤 清代読)
本日、「第三回核兵器廃絶―地球市民集会ナガサキ」の開会に当たり、開催のために御尽力された核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会、長崎県、長崎市等の関係者の方々に深く敬意を表します。
原子爆弾が投下されたここ長崎の地で、NGOと長崎市民・県民の皆様が連帯し、核兵器のない平和な世界を実現するための国際集会を開催することは、政府としても意義深いことであると考えます。
皆様も御承知のとおり、九日、北朝鮮が核実験実施の発表を行いました。北朝鮮による核実験は、我が国のみならず、東アジア及び国際社会の平和と安全に対する重大な脅威であるとともに、核軍縮・不拡散体制の礎であるNPT体制への重大な挑戦であり、断じて容認できません。この問題について、我が国は、国際社会と連携して迅速に対応した結果、日本時間十五日に、国連安保理において、北朝鮮を非難し、北朝鮮に対する制裁措置の決定を含む決議が全会一致で採択されました。我が国としては、他の国々と連携しつつ、この決議の着実な実施を含め、北朝鮮の核問題への対応に最善を尽くしてまいります。
我が国は、非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立ち続けてまいります。具体的には、昨年に引き続き今年も、「核兵器の全面的廃絶ぬけた新たな決意」決議案を国連に提出しました。この決議案は、核廃絶に向けて、現実的な核軍縮措置を一歩一歩積み上げていくことが必要であるとの認識に立ち、「核兵器のなない平和で安全な世界」の実現に向けた我が国の考えを表したものです。
今回の集会では、平和教育についても議論されると承知していますが、政府としても、例えば、一九八三年以降、国連による軍縮フェローシッププログラムの一環として、毎年、若手の外交官を広島・長崎に招聘しています。我が国としては、今後もこうした取組を継続していく考えです。
最後に、今回の集会においても活発な議論が行われ、この集会が真に実りあるものになることを心より祈念いたします。
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