歓迎あいさつ

 第4回「核兵器廃絶−地球市民集会ナガサキ」の開催にあたり、長崎県民を代表いたしまして本集会のご盛会をお慶び申し上げますとともに、国内外からご参加いただきました皆様のご来県を心から歓迎申し上げます。
 65年前の8月9日、長崎市に投下された一発の原子爆弾は、美しい長崎の街を破壊し、多くの尊い命を奪いました。県民の懸命な努力により、その後長崎は平和を願う美しい街に復興いたしましたが、愛する家族を亡くされたご遺族の悲しみは今なお深く、高齢化する被爆者の方々は原子爆弾による健康障害に苦しみ続けておられます。
 長崎県では毎年8月9日を「県民祈りの日」と定め、原爆犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、次世代を担う若者たちに平和の精神を託すため、各学校においては平和学習に取り組むなど、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続けております。
 このような私たちの切なる願いにもかかわらず、世界には未だに数多くの核兵器が存在しております。また、昨年の北朝鮮の地下核実験、イランの核開発問題など、核を取り巻く情勢は相変わらず厳しく、また複雑化しており、核兵器廃絶の実現は容易ではありません。
 しかしながら、昨年4月にアメリカのオバマ大統領が「核兵器のない世界」を目指すという演説を行って以降、世界で核軍縮・核不拡散への機運が大きく高まっております。また、昨年12月には国連総会において、核軍縮決議案が圧倒的賛成多数により採択されるなど、世界レベルで核兵器廃絶へ向かう好機が到来しているところであります。今こそ、地球市民が結集して、核兵器廃絶と世界恒久平和を目指し大きく動き出すときであります。
 長崎県は被爆体験を持つ自治体の責務として、原爆の悲惨さや終わることのない被爆者の苦しみ、核兵器廃絶の必要性を、核保有国を含む全世界の人々に向けてさらに強く訴えていかなければなりません。
 今年5月には国連で「核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議」が開催されます。今後の世界平和の鍵を握るこの年、われわれ長崎県民は、「長崎を最後の被爆地に」という思いを込め、本会議により平和のメッセージを広く発信し、核兵器のない平和な世界となるよう、ご参集の皆様方と手を携えて努力してまいる決意であります。
 終わりに、本会議が実り多い成果をあげられますよう祈念いたしますとともに、ご参集の皆様方、開催にご尽力いただきました実行委員会をはじめとする関係者の方々のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げ、ご挨拶といたします。 。


長崎県知事   金子 原二郎
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