分科会4 「米国の核戦略と市民の対抗構想」 2003年 11月23日(日)09:30〜12:00 平和会館ホール
コーディネータ:田巻一彦(NPO法人ピースデポ副代表) まず最初に、米国・西部諸州法律財団のジャッキー・カバッソーさんが、現在の米国の核戦略の危険な性格をいくつかの事実をもって指摘しました。つづいて、立命館大学の安斎育郎さんとインドのフリージャーナリストで「核軍縮と平和のための連合」(CNDP)代表であるアチン・バナイクさんが、それぞれ東北アジア、南及び西アジアの視点からこれを批判しました。 この二重基準は、東北アジアでは不信と猜疑心を招き、北朝鮮の核開発疑惑を誘発しています。一方、南アジア、西アジアでは、米国はインド、パキスタン、イスラエルの核保有を容認し、それらの国々と別々に同盟関係を結んで、対立させるという巧妙な支配を行っています。そのねらいは、イスラムを押さえ込み、石油利権とオイルダラーを将来にわたって支配することです。 この新戦略は、関係するいずれの国でも、人々の無知と無自覚の上にたって進行しています。日本の現状はご存知のとおりです。米国においてさえ、冷戦終結後、「核の脅威」は人々の意識から消えようとしています。依然識宇率の低いインドやパキスタンでは、多くの人々は、自国の核実験の事実すら知らされていません。 しかし、私たちは絶望しているわけにはいきません。米国に「ノー」の声をつきつけるための手段はいくつも挙げることができます。すなわち、東北アジア、西アジア、南アジアを非核地帯にする運動を起こすことです。非核自治体の力を再活性化することです。とりわけ日本においては、NAC(新アジェンダ連合)の国連決議案の正当性を、人々や政治家に知らせ、賛成投票を政府に迫ることです。これらを実現するためには、今世界で何が起こっているのかを、人々に判りやすい言葉で伝えていくことが何よりも重要です。 分科会参加者一同が、2005年に向けてこのような努力を強化する熱意を共有できたと信じています。 最後に、カバッソーさんの言葉を借りて報告を締めくくりたいと思います。「私たちは<希望の枢軸>(Axis of Hope)」なのです。 ◆◆ |
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