分科会
1 非核自治体宣言フォーラム
2003年11月23日(日)09:30〜12:30 長崎ブリックホール会議室

非核宣言自治体フォーラムは、第1回NGO会議では開かれませんでしたが、今回次の理由で開かれることになりました。
そのひとつは、日本における非核宣言運動が始まって20年以上が経過する中で、日本非核宣言自治体協議会の20周年記念事業として開催されるようになったこと、
もうひとつの理由は、核兵器が使われるかも知れない今日の危機的状況の中で、自治体と住民、自治体とNGOの連帯など新たな対応が求められているからであります。
第一部のパネルディスカッションでは4人のパネリストから意見と問題提起をしていただきました。
非核宣言自治体全国草の根ネットワーク代表の西田勝氏は、1981年の英国マンチェスター市の非核都市宣言に端を発した非核宣言運動が日本に伝わり、1980年代に大きな盛り上がりを見せ、今や全国の自治体の8割が宣言するに至った経緯を紹介されました。
西田氏は、非核宣言運動の成果として、国の専管事項である外交・防衛問題を自治体レベルでも取り扱うようになったこと、全国各地において啓発、教育活動が行われたことを評価しました。
その一方で、我が国の非核三原則の法制化や東北アジア非核地帯の実現には至っていない問題点も指摘しました。
次に英国の非核自治体協会事務局長のスチュアート・ケンプ氏は、マンチェスター市が国内自治体とのネットワーク、海外の関係団体との交流など、リーダー的役割を果たしているものの、1980年代の熱意と関心をとりもどすべきであると力説されました。
また2005年NPT再検討会議に向けた、平和市長会議との連携への期待を表明しました。
反核法律化協会副会長の成見幸子氏は、自ら役員を務めておられる「非核の政府を求める宮崎の会」が県内100%宣言を達成した実績を踏まえて、日頃の地道な活動の重要性を指摘されました。
東京都中野区公聴広報課長の鈴木郁也氏は、我が国第1号となった非核条例制定の経過や、地方財政のひっ迫化の中で平和事業を進めることのむずかしさ等、自治体が共通して抱える問題点を述べられました。
第二部の意見交換において、まず非核の政府を求める会、核実験に抗議する長崎県内市民団体交流会、時津町(長崎県)の代表からそれぞれの活動について実践例をあげた報告がありました。
意見交換の中で、市町村合併の中で、平和事業を活性化する必要がある、特に青少年に対する平和意識の高揚が大切である等の意見がありました。
また海外の代表からは、国境を越えた文化スポーツなどの交流や、平和市長会議との連携についての提案がありました。
全体として、財政悪化という状況の中で、平和事業は住民の安全に係る大切な問題であり引き続き推進していくべきであるということについては、共通の認識を持つことができたと思います。
また非核宣言自治体協議会の活動のPRや、核兵器をめぐる危機的状況の中で自治体同士及びNGOとの国際的連帯の必要性を求める声があったことに留意すべきと思います。